ガチャ
「やっべー、遅刻しちまうぜ!」
ブルルルン
「よーし、今日も絶好調だぜ!」
「じゃ、行ってきまーす」
ブウゥゥゥン
キキーッ
「キャアっ?!」
「おぉっと、アブね!」
「ワリぃ、急いでたんで…ってアレ?お前、昨日隣に引っ越してきた……え~っと…」
「絢瀬絵里よ、西木野真姫くん」
「そうそう、あやせ絢瀬!」
「…アレ?何で俺の名前知ってんの?」
「それは…だって…」
「あっ、そっか!隣に住んでんだもんな。知ってて当たり前か。」
「……本当に覚えてないの?」
「あぁ?何だよ、バレンタインだからって告白とかやめてくれよ?俺今サッカーにしか興味ないんで」
「バカ…」
ブルルルン
「乗れよ」
「えっ?」
「ほら、後ろに乗れって。お前も遅刻したくねぇだろ?」
「いいの…?」
『マッキー…』
「えっ?…その呼び方って…」
ガサガサ
「…っ!こ、これ…っ!」
「えっ、何?!」
「ハァ…だから言っただろ?バレンタインだからって、俺はチョコとか貰うつもり…」
「食べて!」
「はぁ?!」
「いいから食べて!」
「…わかったよ。丁度朝飯食ってなかったしさ。」
ガサガサ
「おっ、手作りぃ?うまく出来てんじゃん。じゃあいただくぜ。」
「んっ」
カリッ
ブォォォォン!!!
「こ、この味は…!」
「思い出して、くれた…?」
「ボルシチと、ピロシキと、キャビアを合わせたようなこの味、この味は…」
「エリー!」
「そうだよ、マッキー…!」
「だってお前、そんな…10年前と別人だったから…」
「私はずっと忘れなかったよ、マッキーの事…」
「エリー…」
「俺も、俺もエリーの事…!」
「それ以上は、ね?だって、今はサッカーにしか興味ないんでしょ?」
「いやっ、それは、だって」
「え~っと…」
「…ふふっ。うふふふふ」
「おい、エリー…」
「うふふふふ」
「あはははは」
「マッキー♡」
「エリー♥」
「うふふふふ」
「あはははは」
「マッキー♡」
「こいつぅ♥」